事業承継支援
私ども鯨井会計では、50年超の歴史の中で、多くの事業承継に対するお手伝いを手掛けてまいりました。ここでは事業承継対策の手順をご紹介させていただきます。
1.後継者の選定
事業承継において第一に検討すべき項目は誰に事業を承継するかです。
まず最初に思い浮かぶのはお子様であろうと考えられます。しかしながらお子様がいない、もしくはお子様が他の仕事に就き事業を承継する意思がないケースも多く見受けられます。この場合社員に事業を承継させる場合や、M&Aなどで第3者に事業を承継してもらうケースの検討が必要となります。
第3者の場合は経営に長けているケースがほとんどでしょうが、親族もしくは社員に承継する場合は、経営スキルを習得してもらうための教育が必要となります。
経営を行うということは、物を売ったり買ったり作ったりといった日常の事業活動とは別の能力が必要となります。会社に長くお勤めいただいた熟練の社員の方であったとしても、新たに覚えなければならないスキルは多々あります。
いつまでにどのような会社にしていきたいのか?
誰に何を販売していくのか?
設備投資や商品開発はどうするか?
資金繰りは?
などを意思決定していかなければならないのです。
後継者を誰にするのかが決まったらどのように経営能力を身に付けさせるのかについての検討が必要となります。
2.事業用資産の承継
次に、法人であれば自社株、個人事業であれば事業で使用している機材などの財産をどのように後継者に承継していくかの検討が必要となります。
例えばお子様が複数人いらっしゃって自社株を後継者以外の方にも相続させた場合、スムーズな事業運営の妨げになるケースが考えられます。
それは自社株には議決権が付帯しているからです。他の株主が反対すると議案を通すことが困難となります。
例えば相続財産の都合上どうしても他の兄弟に自社株を相続させなければならない場合などは議決権の伴わない配当優先株などを事前に準備し、議決権を後継者に集約する対策をしておく必要があります。
3.承継の手法
最後にどのような手法で事業用資産を承継するのかについて検討します。
もちろん遺言書を作成しておき、経営者の死亡時点で事業用資産を承継する場合もありますが、より積極的に承継する場合や相続権のない社員などに事業を承継する場合には生前に贈与や譲渡を活用して譲っていくケースもあります。
これは、経営者が元気なうちに事業用資産特に自社株を後継者に承継するケースです。後継者は経営者の生前に自社株を承継できますから安心して経営に専念することができ、また後継者の経営に対する自覚を促す効果もあります。
ただしまだ教育が足りてないので財産権としての自社株は譲っても、経営権は経営者が有していたい場合は、家族信託を活用し、財産権と議決権を分離し、財産権のみを後継者に承継させるなどの手法もあります。
また事業承継税制を活用したり相続時精算課税制度を利用することを検討する場合もあります。
遺言によって事業承継するのか?
贈与によって事業承継するのか?
贈与による事業承継を選択した場合、暦年課税制度によるのか?
それとも相続時精算課税制度を利用するのか?
それぞれのメリット・デメリットを考慮し、最善の承継方向を選択することが大切です。
これまで多くの事業承継のお手伝いをしてきた我々と一緒に事業承継の第一歩をはじめませんか?